ソファー修理・財布修理・カバン修理｜革修理の事なら革研究所 浜松店

1. クリーニング
   まず、汚れを落とし、革の表面を整えるためにクリーニングを行います。汚れが付いた状態のままでは、染料が均一に定着せず、色ムラの原因になることがあるため、この工程は非常に重要です。柔らかい布に革専用のクリーナーを少量含ませ、バッグ全体を優しく拭きます。クリーナーを使用する際、力を入れすぎると革の表面が傷つく可能性があるため、必ず優しく、均一に行うことがポイントです。革の表面に染み付いた汚れやホコリがクリーニングで取り除かれ、次の脱脂工程がスムーズに進むように整えます。クリーニング後は、少し乾燥させて余分な湿気を飛ばします。

2. 脱脂
   次に、革の表面に染み込んでいる皮脂や油分を取り除くために脱脂を行います。この油分は、長期間使用する中で手や肌から移ったものや空気中の成分が革に吸収されたもので、染料の定着を妨げたり、色ムラの原因になったりすることがあります。革専用の脱脂剤を布に少量とり、全体を拭き取るように作業します。脱脂剤を直接革に塗るとシミが残る恐れがあるため、必ず布を介して使用します。バッグ全体をまんべんなく拭き、革表面に残った油分をしっかりと取り除きます。脱脂が不十分だと染め直しの際に染料が浮きやすくなるため、焦らず慎重に行います。

3. 染め直し
   脱脂が完了した後は、いよいよ黒に染め直す作業に入ります。革専用の黒い染料を使用し、できるだけ薄く均一に全体へ塗布していきます。染料を塗布する際、一度に大量に付けると色ムラが生じるため、布やスポンジに染料を少量ずつ取り、薄く重ねていくようにします。最初は少し薄く感じるかもしれませんが、少しずつ重ねることで均一に染まり、自然な黒色が出てきます。染料を塗ったら乾燥させ、完全に乾いてから再度塗り重ねると、染料がしっかりと定着し、ムラのない美しい仕上がりが得られます。乾燥時間は染料によって異なりますが、自然乾燥で数時間以上置くのが望ましいです。

4. 色止め
   染料が革にしっかり定着した後、色移りや色落ちを防ぐために色止め剤を使います。色止めをしないと、使用時にバッグが他の物と擦れた際、色移りが発生する可能性があるため、長持ちさせるためにもこの工程は欠かせません。色止め剤はスプレータイプやクリームタイプがあり、どちらも薄く均一に塗布することが重要です。特にバッグの取っ手や底の部分は摩擦が多いため、しっかりと色止めを行います。色止め剤を全体にまんべんなく塗り広げた後は、染め直しの時と同様に十分な乾燥時間を確保し、色止め剤がしっかりと定着するようにします。

5. つや出し
   色止めが完了し、完全に乾燥した後、革本来のツヤを戻すためにつや出しを行います。この工程では、革専用のつや出し剤を布に取り、バッグ全体に薄く塗布します。つや出し剤は一度に多く付けすぎず、少量ずつ均一に塗り広げるよう心掛けます。革製品はつやがあることで高級感が引き立つため、つや出しは見た目の仕上がりを美しくするための大切な工程です。また、つや出し剤が乾くことで表面に軽いコーティングがかかり、バッグの耐久性が向上し、汚れが付きにくくなるという利点もあります。

6. オイルで仕上げ
   最後に、革用の保湿オイルを使って仕上げを行います。オイルを使うことで、革に柔軟性を与え、しなやかさを保つことができるだけでなく、乾燥によるひび割れや硬化を防ぐことができます。オイルを布に少量とり、バッグ全体を優しく拭き上げていきます。保湿が行き届くと革がしっとりとし、柔らかさが戻るため、持ち心地も良くなります。オイルは一度にたくさん使うとべたつきが出るため、薄く塗り、十分に馴染ませることが重要です。また、オイルを塗った後は、さらに一晩ほど自然乾燥させ、革に完全に浸透するのを待ちます。オイルの保湿効果によって、バッグが長持ちし、使い続けるうちにさらに風合いが増していきます。

以上の工程を経て、黒い革のバッグが新品のように生まれ変わりました。

革製品はお手入れが大切で、汚れや色落ちがあっても、適切な方法で染め直しや保湿を行うことで、

美しさを保ちながら長く愛用することが可能です(^^♪